2019年1月~3月のアニメの感想2019年04月15日 00:00



私は特別マニアでは無いがアニメは見ている。この1月から始まったアニメが最近終了。普通はせいぜい2本位しか見ないのだが今期は7本視聴した。
これは面白かったという以外にAbemaTVやアマゾンプライムの影響が大きい。
リアルタイムで見なくても後からまとめて見られるのだ。
せっかくたくさん見たので簡単に勝手な感想を書いてみる事にした。
(詳細な内容はリンクを貼っておくのでそこで確認して下さい)
アニメは自己責任で見て下さい。

1.ケムリクサ(自己責任でやってね)

面白いと思った順に感想を書いていく。
最初はこのケムリクサ。たつき監督の作品だ。荒廃した未来世界でのサバイバルを描いている。
このアニメの設定はかなり厳しく登場人物の最初の目的は「水を探すこと」だ。
そのために旅を始めるのだが人類は死に絶えたようで登場人物は基本的に主人公姉妹と初回に登場する「ワカバ」のみ。同じような設定では名作の「北斗の拳」があるけどこちらは水も食料もあるし人間も結構いる。はるかに厳しい。

面白い点を書いていくと、まずストーリーと目的がしっかりしていてぶれる事は無い。「水を探す事」と「荒廃の原因の敵を倒す事」だ。本筋がはっきりしているのでついていきやすい。伏線とかもあるようなのだがそれがあっても話を複雑にするだけで面白いとは限らないので個人的には気にしない。

また、登場人物が整理されていて魅力的だ。
主人公の「りん」は超人的な強さを持ち真面目で実直な性格だ。悩みを抱えている設定。
猫耳で大木を操る「りつ」、色々なものを食べて別のものに変換できる「りな」が出てくる。この3人は姉妹でりん以外は明るく前向きな感じだ。
謎の青年「ワカバ」なのだが脳天気な発言が目立って浮き気味だが、その一方で初回から危険を冒してりなを救出する活躍を見せるので単なる変な奴では無いのはすぐに分かる。3話、4話でも活躍している。この辺は監督さんか脚本さんの配慮なのか分からないが違和感なくストーリーについていける。

私は「りつ」が気に入ったのだがこの人も猫耳で「~にゃ」という猫言葉?で話してかなり個性的なのだが他の人物には常にやさしく、ワカバとも割と早く打ち解け「ワカバ君」と親しみをこめて呼んでいる。
この人の発言が結構癒されて心地よい。終盤のりんにかける言葉も泣ける。
一方、りんはワカバに対して厳しい態度を取るのだがその理由も序盤の描写で理解できるので違和感はない。終盤に登場人物の正体やきっかけが明らかになって物語を盛り上げる。

そんな感じでストーリーがしっかりしていて登場人物が魅力的で違和感が無いというアニメなので当然面白い。理屈っぽい説明になったけど実際見て自分なりに楽しむのが良いと思う。

2.ガーリーエアフォース(自己責任でやってね)

CMを見て気になって見たこの作品。意外と楽しめた。戦闘機を操る美少女が登場する作品。既に乗り物&美少女を組み合わせる作品はあると思うのだが私が余り見た事が無かったせいもあるかもしれない。

実質的な主人公の「グリペン」は「アニマ」というサイボーグのような存在で飛行機の操縦と耐久力は人間離れした能力を持つのだが安定して能力を発揮できないという欠点を持つ。徐々にそれを克服していく。
健気で真面目な性格だ。基本的には分かり易い成長型ストーリーだ。

実際は高校生の「鳴谷慧」というのが主人公で無鉄砲な所はあるけど常にグリペンを助けて支えていく。
この人物はアマゾンの評価で「中二病的」だと批判されている。
確かにそうとも見えるけど初回にグリペンに命を助けられたので不時着したグリペンを助けても不思議では無い。
その後もグリペンのために時々無鉄砲な行動を取るのだがこれを「アホな奴」と見るかそうでないかで評価が分かれる気がする。
単なる好奇心だけで無茶をするのはバカだけど彼の行動は一応理解できる。
多少臭いヒロイックな所はあるが正しいと思えた。見殺しにしてしまったアニメもあるけど助けなければならない。

脳天気で口の悪い「イーグル」と嫌味で口の悪い「ファントム」というアニマが登場して若干の対立があるけど割とすんなりと和解して力を合わせていくというのも好ましく見えた。余り引っ張らない。
F15等の戦闘機が登場するし空戦シーンはそれなりに迫力があるのでそういうのが好きな私は楽しめた。

ストーリーは分かり易く登場人物も割と同意できる。気楽に見られる良いアニメだと思う。

3.ゲゲゲの鬼太郎6(自己責任でやってね)

定番?のゲゲゲの鬼太郎6。今期も安定して面白かった。
雪女と人間の青年の恋愛を描いた回と科学的に不死の細胞を作ってしまったために妖怪(おどろおどろ)になってしまった回が印象に残る。特におどろおどろの回は面白く、ストーリーがゴルゴ13的だ。今回の鬼太郎はクールな感じなので重なる部分がある。

逆に残念だったのは1年間鬼太郎と対決していた「ななし」の小者感だ。
前クールで登場した「バックベアード」のような自己の野望のために行動する絶対悪では無くかわいそうな存在になっている。こういう描き方もあるかもしれないが、1年間引っ張ったのだからもう少し別の存在にした方が良かったのではと思う。

また、鬼太郎は元々妖怪と人間の関係について懐疑的でそれが少し変わるきっかけになった「まな」と決裂してしまうのもどうなのかと思った。他の多くの妖怪と人間も対立していて冷静だったのは「目玉おやじ」位だ。最終的に収まったけど火種は残っている感じでテーマの否定にも見えてほろ苦い結果になっている。

ねずみ男が鬼太郎に説教する場面もあるけど、ねずみ男が鬼太郎の能力を持ったら適切に使えるかというと無理だ。能力がある人間にも難しさがありそれを使うには精神的や色々と強くなければならない。元々、ねずみ男は好きでは無いのだが、両方とも全く無さそうなねずみ男の説教は違和感を覚えた。

そういう細かい所に不満はあるのだけどアニメの出来自体は良い感じで楽しめている。今後も視聴を続ける予定。


4.どろろ(自己責任でやってね)

大昔にアニメ化されたのだがそれの久しぶりのリメイクだ。
妖怪に体の機能を奪われた「百鬼丸」が妖怪を倒して取り戻していくのが基本的ストーリーだ。ホラー系アクションアニメという感じで異色の存在だ。

まず「百鬼丸」だが目も見えず、耳も聞こえず、しゃべれない、その一方で強さは圧倒的でサイボーグかアンドロイド的な強さを持つ異様な存在になっている。
妖怪をいくつか倒したおかげである程度機能は回復したが片言の会話ができる程度。これは今風で面白いのだがずっと見ているとしんどくなってくる。

「どろろ」は明るくて健気に頑張っているのだが、父母の思い出を振り返る回ではかなり悲惨な過去が明らかになる。それにもめげず明るく振舞っている。
百鬼丸が機能不全のロボットという感じなのでどろろの孤軍奮闘で全体の雰囲気が重い。絡新婦の回のような割と良いエピソードもあったのだがいまいち楽しめない。アニメ自体の出来は悪くないがずっと重い。

1クールでは完結せずに1週休んで連続で2クールを放送中だ。
しかし、百鬼丸も実の父親との対立という重い過去を背負っているのでこれからも大変そう。余りハッピーエンドは期待できないがどうまとめるのか最後まで見届けたい。

5.バンドリ 2nd(自己責任でやってね)

女子高生のバンド活動を描いたアニメ。続編で第2シーズンだ。
主役のポッピンパーティが主催ライブを開くまでの割とシンプルなストーリー。

印象だけどまず登場人物が非常に多い。5バンドで1バンド5人なので25人だ。
それに加えてRaise A Suilen(RAS)というリアルバンド5人が加わっているので合計30人。それがどんどん出てくる。
 バンドリのゲームで各バンドのストーリーが公開されていて、私はYoutubeで見て知っているのでついていけるが、見てない人にはこの人たちは何という感じで訳が分からないと思われる。ファン専用のアニメで6話までは各バンドが順番にクローズアップされるPV的なものになっている。

RASはストーリーに割とからんできてリアルバンドをアニメにするとはうまいなとは思うけど正式な結成までには至らなかったのは残念だった。シーズン3まで引っ張るようだ。今シーズンのメインキャラに朝日六花という少女がいて将来RASに加入するのだがRASとの直接の係わりもほとんどない。
この娘がギターの腕を見せる9話が見せ場だったがそれ以外は見せ場は少ない。
ポッピンパーティのメンバーの引き抜き問題を引っ張るのだがそれも曲を作って分かりあうというのはくどすぎる。六花を巻き込んだ展開にしてはっきりした方が良かった気がする。

そんな感じでストーリーには不満はあるのだが各登場人物は魅力的なのでそれなりには楽しめた。ホームランを狙わずにヒットを狙ったとも思えるのでそれも悪くない。3期は一応の総決算的なものになりそうなので盛り上がるのを期待する。

6.荒野のコトブキ飛行隊(自己責任でやってね)

カーリーエアフォースを見て面白かったのでこちらも飛行機関連という事で見た。

主人公のキリエは食いしん坊でうるさいのだが操縦の腕は確かという明るいキャラ。丸顔なのは個人的には好みで悪くない。
それはいいのだが、このアニメも登場人物がやたらと多い。
コトブキ飛行隊の他のメンバーもレオナを除いて個性的だが、それ以上に脇役が目立ちすぎる。特に雷電を空で取られる間抜けな市長は不要だ。最後の悪役を除いてもう少しまともな人物に描いた方が良かったと思う。それ位登場人物が煩雑な印象で見難い。

ストーリー自体はコトブキ飛行隊の活躍を描いていてまとも。
ほぼ毎回空中戦を描いていてそれは見ごたえがある。
特に最終回は延々と空中戦が続き酔いそうになるほどだ。
また、こちらは第2次世界大戦の航空機が登場するもので隼や零戦が登場する。
この手の航空機が好きな人は楽しめると思う。個人的にはF6FやP-51が出てきてくれたらさらに良かった。

そんな感じでストーリーは悪くないが脇役が無駄という残念なアニメになっている。2期があるのかは分からないが化ける可能性はあるので次回も見ても良いかと思う。

7.けものフレンズ2(自己責任でやってね)

このクールの最大の問題作といえる。検索すればこれに関する意見とかを多数見られると思う。私は監督さんや第1期に特別なこだわりは無いのでなるべく事実を書きたいと思う。

まず、ストーリーだが第8話までは割とまともでひどいとは思わなかった。
主人公の「キュルル」が自分の家を探すという目的だ。抽象的だが変では無い。
スケッチブックの絵を見ながら色々な場所を訪ねていく。
問題なのはその後も大した進展が無くさして重要では無いと思われるホテルで物語が終わる事。結局、キュルルが皆と一緒のここが家だという自己満足的な事を言って終わってしまう。途中で旅の目的が変わるのは変では無いが最後に一言言って終わりというのは乱暴だ。

登場人物だがこれは大きな問題があるように思えた。
キュルルだが8話まではサーバルらと仲良くやっていたが、9話からケンカする様になる。その理由は特に無く売り言葉に買い言葉という感じでつまらないケンカ。物語の終盤に登場人物同士が対立するという設定はあるけどはっきりした理由が欲しい所だ。単に気が短いのでケンカするとなると全く成長していないバカになってしまう。

独断専行でイエイヌの制止を振り切った挙句トラブルの原因になっているのもまずい。終盤のホテルでもサーバルらに何の相談もしないで一人で走りまわっている場面がある。その上、イエイヌを無視してアムールトラを見殺しする冷血だ。見殺しはダメだろ。
気が短い上に自分勝手で冷血という恐ろしいガキという設定になってしまっているのは残念。

サーバルは苦労を共にした「かばんちゃん」をきれいさっぱり忘れている薄情者かボケ老人になってしまっている。相変わらず明るいのは変わらないので単なるボケ老人か。カラカルを徹底的に良い人にしてバランスを取る方法もあった気がするがこちらも気が短くケンカをする始末。この3人で旅をしてもうまく行かないし、何の魅力も感じない。

さらにまずかった点として「カタカケフウチョウ」を登場させた事。9話の最後に登場している。このフレンズは謎で実際に存在するのかキュルルが幻覚を見ているのか分からない。それはいいのだが有益なアドバイスをする訳では無く出す意味が分からない。こういう謎の存在を登場させる事はあるけど、そのアドバイスが正しく有益なら意味がある。最終回はこれが登場してアムールトラが登場、それをセルリアンの中に放り込むという荒業をやっているがそれは正しい事なのか疑問だ。間違ってる。さらに事態を悪化させている。主人公が変になったと思われても仕方が無い演出だ。

違和感を感じる事は他にもあるけどきりが無いのでこれ位にしておく。
長々と書いたがストーリーがいまいちで登場人物がダメで違和感が多いのだから面白い訳がない。酷評されている9話がターニングポイントになっていて急激にダメになっている。続編があるかは不明だがこれは見ないな。

8.全体的な感想(自己責任でやってね)

この1月~3月は個人的にはアニメは豊作という感想で多く見る事が出来た。
色々と苦情も書いたが1本を除いて悪くないという感想だ。続編があるなら見たい。

1~4はストーリーも登場人物もしっかりしているのでお勧めだ。
5,6は登場人物に難があるけどストーリーはまずまず。
7は興味があるならどうぞという感じかな。

アニメを作成する人も大変そうで基本的に応援したいのでこれからも多く見て行きたい。